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腓骨神経麻痺

病態

• 膝関節の後方で坐骨神経から腓骨神経が分岐し、腓骨神経が膝の外側にある腓骨頭の後ろを巻きつくように走行します。
その部には、神経の移動性が乏しく、骨と皮膚・皮下組織の間に神経が存在するため、外部からの圧迫により容易に神経麻痺が生じます。

• 正座を長時間したときに足がしびれたり、動かしにくい感覚を覚えたりしたことがある方は多いと思いますが、これらも腓骨神経に対しての刺激が原因となって生じる症状です。




原因

• 最も多いのは、外部から膝の外側への圧迫により生じることが多いです。
仰向けで寝た状態が続いたり、ギプス固定をしている際に膝の外側に強い圧迫をされると起こります。

• ガングリオンなどの腫瘤、腫瘍、開放創や挫傷、骨折などの外傷によっても生じます。



症状

• 下腿の外側から足背ならびに足の小指を除いた足の指の背面の感覚が障害され、しびれたり触った感覚が鈍くなります。

• 足を思うように曲げることができず、物によくつまずき転倒する、といったリスクも伴うようになります。

• 下垂足(垂れ足)を呈しているため足を高く持ち上げ、つま先から投げ出すように歩く鶏歩となる。



診断

• 下垂足を呈し、上記の感覚障害があり、チネルサイン(神経損傷部をたたくとその神経支配領域に疼痛が放散する)があれば損傷部位が確定できます。

• 確定診断には筋電図検査・X線所見・MRI検査・超音波検査なども必要に応じて行います。



治療

• 骨折や脱臼などの外傷や腫瘤によるものは早期に手術が必要です。
原因が明らかでないものや回復の可能性のあるものは保存的治療をします。
3ヶ月ほど様子をみて回復しないものや麻痺が進行するものでは手術が必要になります。

腓骨神経麻痺に対する治療では、主に「保存療法」が選択されます。
腓骨神経麻痺は腓骨神経の圧迫が主な原因になりますので、まず圧迫を取り除くということが大切です。
ギプス固定による圧迫なら、腓骨神経の圧迫部分をギプスカットすることや、寝たきりの方の場合は姿勢を変える、クッションなどを使って除圧することが必要になります。

腓骨神経麻痺に対するリハビリは

1 運動療法
2 装具療法
3 物理療法
4 徒手療法


この4つが行われます。


運動療法

運動療法では、下垂足の原因となる筋肉に対して、筋力トレーニングや筋力をうまく発揮させるための筋出力トレーニングが行われます。
特に足首・足の指を上に持ち上げることが中心となります。まずは座ったままの状態で足の指と足首を上に持ち上げます。

装具療法

鶏歩になると歩行の効率が悪くなりますので、それを防ぐために装具が必要になります。
そのおおくは「オルトップ」という装具が処方されます。


物理療法

腓骨神経麻痺に対する物理療法は、電気刺激によって強制的に筋肉を使うことを目的に行われます。

徒手療法

腓骨神経麻痺では足首や足の指が持ち上がらないことを説明しましたが、その逆の作用をもつ筋肉は疲労が溜まりやすい環境にあります。
また、足の裏やふくらはぎなどの筋肉の柔軟性を保つことも重要になります。

手術療法

骨折、脱臼などの外傷で手術が必要なものや腫瘤のあるものは、手術が行われます。
神経損傷のあるものでは、神経剥離、神経縫合、神経移植などの手術が行われます。
神経の手術で回復の望みの少ないものは腱移行手術(他の筋肉で動かすようにする手術)がおこなわれます。
治療内容などは医師、機能訓練士がアドバイスをしていきますので、お気軽にご相談下さい。