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投球動作

投球動作は一般に、ワインドアップ期、コッキング期、アクセラレーション期、フォロースルー期から構成されます。
野球障害を治療していく為には、投球動作の中での問題点をみつけることが大切です。



野球肩(Little leaguers shoulder)

子供の成長期に発生し、11歳をピークに発症します。
成長期の野球少年には特徴的な肩障害であり、上腕骨近位骨端線離開のことをリトルリーガーズショルダーといいます。

原因

・成長期の上腕骨近位骨端線部分に、投球動作において捻じれの力と引っ張りの力が何度も繰り返され疲労骨折を起こすと考えられています。

症状

・投球動作での肩の痛み・・・症状が増強すると投球後痛みが長時間持続することになります。
・投球動作の肩関節側方の疼痛(アクセラレーション期、フォロースルー期)
・熱感
・圧痛

診断

・投球開始時期はX線像で上腕骨近位骨端線外側部に線状の仮骨陰影を認めれば、投球再開のサインです。



通常、約1ヶ月程度のノースロー及び機能訓練にて投球再開が可能となり、2~3ヶ月で後遺症を残すことなく復帰できるようになります。

治療・リハビリ

投球禁止または投球制限を指示します。
本症を発症する選手は股関節の動きが悪く可動域制限が出現し、上半身主体の投げ方をしているためその間、股関節を中心としたストレッチングや肩甲帯の柔軟性の改善、また肩に負担のかからない投球フォームの獲得を目指してリハビリを進めていきます。



ベネット病変(Bennett損傷)

・投球による肩の使い過ぎによって生じた肩関節後下方の骨棘(骨の変形)の形成のことをいいます。
野球歴の長い選手、特に投手に多いとされています。

原因

・投球動作によって上腕三頭筋長頭や後方関節包に繰り返し引っ張られる力が作用して発生します。
並進移動が行えていない人や、フォロースルーで力みのある人に好発します。

症状

・投球動作時の肩関節後方の疼痛・脱力感(ワインドアップ期、フォロースルー期)
・肩関節の可動域制限

治療・リハビリ

・症例として無症状の場合もありますが、疼痛がある時は投球を中止させます。
治療はほとんどの症例で肩甲骨周囲筋の柔軟性が低下しているので柔軟性の改善を中心に肩に負担のかからない投球フォームの改善指導、可動域の拡大を目的とした股関節や体幹のストレッチングの指導をおこなっていきます。



SLAP病変(上方関節唇損傷)

・投球動作の繰り返しによる肩の使い過ぎや、上腕二頭筋長頭腱付着部に急激なストレスが作用したときに上方関節唇が剥離し、断裂が生じるようになります。

原因

・野球などの投球動作での繰り返しにより損傷することが多い疾患です。
ボールを投げる時に、関節唇上部の付着している上腕二頭筋長頭腱が引っ張られたり、捻じれの力が加わったりする動作の繰り返しにより、関節唇の損傷を引き起こします。
肩甲帯や胸郭の動きが硬い人に多いです。

症状

・投球動作時の疼痛…(コッキング期~フォロースルー期)
・関節内の引っかかり感
・クリック音

治療・リハビリ

・通常2~3ヶ月は保存療法を行います。
損傷部位の自然治癒は困難ですが、保存療法で損傷部位への負担を軽減することで症状が軽快すると言われています。
保存療法で改善がみられない場合は手術が必要になります。



肩峰下インピンジメント症候群

・肩を挙げたり動かす時に烏口肩峰アーチに繰り返し衝突することにより腱板の炎症や変性が生じる病変です。
繰り返し衝突が起こることにより最終的には断裂に至ります。

原因

・生まれつき骨が変性している場合や、骨棘が出来ている場合に起ることがあります。
その他加齢による腱板の変性や血行不良、日々の姿勢の動作の積み重ねて少しずつ症状が起こる場合があります。

症状

・投球動作ではコッキング相からフォロースルー期にかけての疼痛
・肩の挙上時の痛み(60°~120°間)
・引っかかり感
・筋力低下
・夜間痛

治療・リハビリ

・疼痛を誘発する動作を避け急性期で痛みが強い場合はアイシングをして安静にします。
理学療法で肩関節や肩甲帯だけでなく体幹・下肢の動きを整えることで機能改善を得られることがあります。